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弱者をくいものにするSF

道を歩いていたら、開店の準備をしている店があった。
一見スーパーか何かのような感じのお店である。
もう夕方なのに、である。
店の前の張り紙に、時刻が3つ書いてあった。
ちらっと見ただけなのだが、
どうやら、その時刻に開店するらしい。
3つあるということは、
1日に3回店を開けるということのようだ。

それを見た瞬間、ピンときた。
日用品を、普通では考えられないくらい安い値段で売るかのように錯覚させて、
主婦や高齢者を集め、お店に閉じ込めて洗脳し、高額の商品を次々と売りつける、
いわゆる催眠商法ではないか。

その店を少し行き過ぎたところに、
主婦らしき人が5、6名、買い物袋のようなものを提げて、たむろしていた。
明らかにその店の開店を待っている様子である。
もしや、サクラか、あるいは…?
などと思いつつ、通り過ぎた。

そして、その帰りに再び同じ店の前を通ると、
店の中の様子がガラス越しに見えた。
パイプ椅子を並べ、カモかサクラらしき人たちが座っている。
やはり、そうだった。

何年も前に、これと全く同じ光景を目撃したことがある。
ホワイトボードに何かを書きながら説明している人もいて、
それを熱心に聞き入る人たち。

酒屋さんやコンビニなど、
たたんだあとの店を数日だけ借りて、
スーパーか自然食品のお店のオープニングセールのように見せかけて人を集め、
無料で、あるいは破格の値段で日用品を売り、
そのうちに洗脳しながら高額の商品を売りつけ、
それらを買うまでは、その店から出られないようにする。
そうしておいて数日後にはドロンしてしまうというのが、その手口だ。

まだこんなことをやっているなんて、
いまだに、引っかかる人がいるということなのだろうが、
こんな詐欺商法、なんとかならないものか。
派出所のすぐそばでやっていたこともあるのに、
捕まえられないのかと不思議だ。

認知症の人がだまされたリフォーム事件のように、
正常に判断できない人たちが犠牲になっていく。
これからの高齢社会に、他人事とは言ってられない。
書いた人 hampton | comments(0) | - |




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