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食欲抑制ホルモンの発見

科学者たちは、摂食ホルモンに対する生物学的ブレーキを発見した。これは、食べたいという衝動に対抗する競合的なホルモンである。

obestatinという物質は、これまでのところ、実験用ラットでテストされた。しかし、うまくいけば、この競合ホルモンの発見は、新しい食欲抑制剤につながるだけでなく、肉体が体重を調整する複雑な方法を解明する助けとなるかもしれない。

同じ遺伝子が、2つの相反するホルモンの生成の導火線であることが判明したと、スタンフォード大学の研究者たちは雑誌サイエンスの金曜版で話している。

「そのことは予期しませんでしたが、非常に好奇心がそそられる研究結果です」と、この研究を検討したシンシナティ大学のMatthias Tschop氏は話した。「母なる自然が同時にブレーキとアクセルペダルを踏むのは直観に反するように思えます」

何年もの追加研究で、obestatinが食欲抑制剤として働くかどうかを調べる。レプチンのように脚光を浴びている体重に関する他のホルモンは、まだ肥満の治療の先頭に立たなければならず、現在、何十個ものホルモンがおそらく体重の増減の収支のバランスをとることに関わっているだろうということがわかっている。

しかし、アメリカ人の成人の1/3が肥満体であり、わずかな処方薬のみが穏やかな減量支援を提供している状態で、どんな新しい手がかりも大きな関心を呼ぶ。

「肥満体の患者はまだ望みをかきたてるべきではありません。」と、Tschop氏は言う。

重要な問いの中で答えを出すべきものは、obestatinが直接ラットの食欲を抑制して減食するのではないかどうか、気分が悪くなって減食したかどうかということである。

人々は新しいホルモンの名前に多くを読むべきではない。それは、よく知られているコレステロール降下薬の「スタチン」という種類ではない。そうではなくて、ラテン語の「むさぼり食う」と「抑制」を結合した名前である。

摂食ホルモンから最近発見された幹(stem)は、グレリンと呼ばれた。胃で生成され、食欲を亢進する。理論は、古代人が食物の豊富なうちに太ることによって飢饉を乗り切るのを、グレリンが助けるという、今日の多くの文化において裏目に出るメカニズムである。

Obestatinはグレリンの姉妹ホルモンであり、腸内でも生成されることを、スタンフォードの内分泌学者であるAaron Hsueh氏たちは発見した。

それは反グレリンと呼ぶのが良いであろう。

Hsueh氏のチームは、非常に容易に薬物になるようなタイプのホルモンを発見するために探索して、人間や他の有機体の遺伝子に関するデータベースを洗い流していた。彼らは広範囲にわたる種(それらの系列が特に生物学的に重要であるかもしれないというしるしである)において、何百万年もの進化を通して保存された遺伝子の範囲に探索を狭めた。

グレリンに通じる遺伝子配列は、端にobestatinという余分なタンパク質がぶら下がっていた。それは人間や、他に少なくとも10種類の哺乳動物に存在していた。

「このホルモンがわかりやすい場所にずっとあったということを考えるのは、本当に異常でした」と、サイエンスの副編集長のKatrina Kelner氏は話す。

Hsueh氏は次に、ホルモンの合成品を作成し、それが何をするのかを調べる計画をした。

驚いたことに、obestatinが注入された標準体重のラットは、食物の摂取量が半分になり、8日間で体重の20%が減った。

それは大きな減量ではないが、太っているラットではなかったのだ。体重が非常に多く減ったら、病気になったであろう。したがって、Hsueh氏の次のステップは、obestatinが太ったラットで食欲を抑制して、より多くの減量に通じるか否かを実験することである。

Obestatinはまた、げっ歯動物の胃が空になるのと、腸を通る食物の動き(グレリンの飢餓を誘発する作用に対抗する重要なステップ)を遅くした。

胃は、単独では働かないが、胃腸の中のホルモンなどの物質が満腹感や空腹感を脳に信号を送る、複雑な腸-脳のネットワークの一部である。実際、Hsueh氏はobestatinがラットの胃と脳組織に存在していることを発見した。

そのうえ、obestatinが胃腸の機能を規制することができるように細胞に結合する受容体を見つけた。このことで、潜在的な薬物としてobestatin自身を研究することに加え、その受容体の引き金となることによって食欲を抑制する他の物質を探すことができる。
(Associated Press - 11月11日)
書いた人 hampton | comments(2) | trackbacks(0) |



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