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トランス脂肪を含む食物を食べると動脈が塞がり、心臓発作のリスクがつり上がることは定評である。

しかし、新しいカナダの研究で、血液系でのトランス脂肪の存在もまた、心臓のリズムに干渉し、重篤な心臓発作を悪化させ、死亡する可能性をつり上げることが分かった。

「ダブルパンチのようです」と、エドモントンのMazankowski Alberta Heart Instituteの研究者で、この研究の主執筆者であるPeter Light氏は話す。

「非常にに多くのトランス脂肪や飽和脂肪を食べれば、あなたは自分自身で心臓発作を起こしやすくするかもしれません。しかし、これらの悪い脂肪はただあなたの動脈を塞ぐのではなく、それらはあなたの心臓細胞の中に貯蔵され、どのように脈を打つかに影響を及ぼします。これは本当に心臓発作を受ける患者の症状を悪化させます」

トランス脂肪酸（きめがよくなり日持ちするのに使われる半硬化油）は、コーヒーフレッシュ、ドーナツ、電子レンジ用のポップコーン、冷凍ピザなどの加工食品の中に含まれている。それらはフライドポテト、フライドチキンなどの料理を作るのに使用される油の中にもある。カナダのHeart and Stroke Foundationによると、トランス脂肪は毎年3,000〜5,000人が心血管疾患で亡くなる原因である。

European Molecular Biology Journalで発表された新しい研究は、トランス脂肪がどのように死に至らしめるのか解明するのを助ける。Light博士は、心臓が本質的には電気的器官であり、それはエネルギー源として脂肪を使用すると語る。電気の波は1秒に1回心臓を通り抜け、そのたびにカルシウムはポンプで流入し、再び外に汲み出す。

電気生理学者のLight博士は、トランス脂肪が心臓細胞の中で蓄積されると、それらがカルシウムの重要な流れに影響を及ぼすことが分かった。

特に悪い脂肪は、ナトリウム-カルシウム交換と呼ばれるタンパク質を妨げる。「その役割はカルシウムを汲み出すことです」と、Light博士は言う。「けれども、心臓発作の間、カルシウムをポンプで流入させます」

心臓発作の間のカルシウムの蓄積が多いほど、より厳しい結果になる。それはカルシウムの蓄積が不整脈や心停止を引き起こす場合があるからである。

Light博士は、ナトリウム-カルシウム交換におけるこの厄介な作用が多飽和及び単一飽和脂肪では見られないと語る。これらのいわゆる良い脂肪はオリーブ油やキャノーラ油のように室温で液体で、ラードやバター、ココナツ油、マーガリン、半硬化油などのように固体もしくは半固体のものは、悪い脂肪である。

研究室で、この研究が分子レベルで行われたが、それはいくつかの潜在的実用的な意味合いがある。例えば、Light博士は、心臓外科手術をすることになっている患者が手術前の数週間、悪い結果のリスクを減らす方法として、すべてのトランス脂肪を止めるようにアドバイスされるかもしれないと話す。

彼は、この研究がまた、糖尿病や高血圧にも同様のメカニズムが働いているので、トランス脂肪の作用に影響があると語る。
（globeandmail.com - 2007年7月30日）